AV Linux 23.1 を常用使いにする。 独自ドラムキット音源

詳細概要続きです。サイトではドラムキット音源を配布しており、それについての作者の説明です。サイトから各種フォーマットでダウンロードできます。

  1. プロジェクトの背景と目的

AV Linuxはコンテンツクリエイター向けの無料OS。もう一つのプロジェクトとして、サンプリングドラムキット(AVL Drumkits)も制作している。
前回のドラムキット「Black Pearl」から6年ぶりの新作で、今回は新たに入手した「Tama Club Jam Bop Kit」をサンプリングして無料配布する。

  1. ドラムキットの構成と特徴

ドラムキットは「Bop Kit」と呼ばれる小型・軽量・持ち運びやすいキット。
構成例:
・13インチスネア
・10インチ&14インチタム
・18インチバスドラム(全てナチュラルメイプル材、ブロンド色)
・シンバル類:Zildjian Kシリーズハイハット、Paiste 2002 16インチクラッシュ、Zildjian Armandスプラッシュ、・Sabian AAXエクスプロージョンライドと17インチクラッシュ、Wuhanチャイナクラッシュ(いわゆる「ゴミ箱の蓋」的なサウンド)
・アクセサリー:LNPカウベル、Gone Bopsトリプルシェイカー、グラナイトパーカッションのヴィンテージタンバリン(60年代風のチープな音が特徴)。

  1. サンプリング手法と工夫

通常のドラムスティック(JoJo Mayerモデル)と、Promark Hot Rods(束ねたスティック)でそれぞれ演奏・サンプリング
Hot Rodsは意外にも太く大きなサウンドが得られたとのこと。
各キットパーツごとに20〜25回叩き、その中から「弱・中・強」各5回ずつ代表的なヒットを選定。
実際のドラマーが両手で叩くことや、フィルイン時の自然さを再現するため、「センター」と「エッジ」両方のヒットを左右で収録。
これにより、打ち込みドラム特有の「マシンガン効果」を軽減し、よりリアルなフィルインが可能。

  1. 録音・機材について

ドラムシェルはApexのドラムマイクセットで個別にマイキング。
オーバーヘッドにはAston Originコンデンサーマイクを使用(中価格帯ながら優れた音質)。

  1. サンプル編集・フォーマット変換

Ardour(Linux用DAW)で録音・編集。
各キットパーツの録音から代表的な5ヒットを選び、個別ファイルに分割。
スクリプトで無音部分をトリミングし、ステレオ録音をモノラルに変換。
最終的に以下のフォーマットで配布:
・SoundFont(sf2)
・SFZ
・Hydrogen(H2)用キット
・LV2プラグイン(Robin Gareus氏が開発、GUI付きで視覚的にも操作可能)。

  1. LV2プラグインのデモ

Ardour上でMIDIトラックにドラムパターンを打ち込み、Blonde Bop LV2プラグインで再生。
プラグインはステレオ版とマルチアウト版があり、各キットパーツを視覚的に確認しながらサウンドを鳴らせる。

  1. 今後の展望

「Blonde Bop」リリース後は、ハンドパーカッション(ボンゴ、コンガ、カホン、シェイカー、タンバリン等)をサンプリングした「Give Me a Hand」キットも予定。

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